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フィクションランド

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身近な思いやり

投稿日時  : 2017/08/25 13:27

最新編集日時: 2017/09/13 17:53

僕は彼女と同棲している。

付き合ってもう3年になるが、2年前の彼女のマンションの契約更新のタイミングから同棲を始めた。

今まで喧嘩らしい喧嘩はしたことがないかもしれない。仲良くやってるし、いずれ結婚したいとも思っている。

ちなみに彼女も僕と同じくサラリーマンで、会社に勤めているが、2人は会社も違うし業種も職種も違うので、お互い帰る時間はバラバラ。

僕が先に家に帰ることもあれば、彼女が先に家に帰ることもある。

でも、帰る前は必ず連絡を取り合って、同じ時間に帰れるのであれば
最寄りの駅で待ち合わせして一緒に買い物をして帰ることもある。

たまにそのまま外食して家に帰ることもあるが、基本は家でご飯を食べる。自分で言うのも何だが、なんたって僕たちは仲が良い。

あお、僕が1人で帰る時は必ずコンビニに寄って何か買ってから帰ることが多い。

買うものは日によって違うが、だいたいビールやお菓子、夏場ならアイス、冬場ならおでんだったりする。

でもコンビニに寄ると、僕は自分の分だけでなく、必ず彼女の分までついつい買ってしまう。

「由美子、これ好きだったよな」とか
「この新商品、食べさせてあげよう」とか
特に本人から希望が無くても買って帰ってしまう。

というか、僕は頼まれない限り事前に「何か買って行こうか?」とはあまり聞かない。

頼まれたものを買えなかった時、相手をがっかりさせちゃうのも苦手だし
頼まれたものを間違えないように神経使うのも苦手だからだ。

こういう言い方をすると
「コンビニ寄ったなら言ってくれれば買ってきて欲しいものあったのに」と言われるケースもあるのでは?と思われるが、そこは僕のデキた彼女。絶対そんなことは言ってこない。どうしても欲しければ自分で買いに行ってしまう女性だ。

そして、先日僕は1人で帰っている時、いつものようにコンビニに寄った。どうやら先に彼女は家に帰っていて、夕食の準備をしてくれているらしい。

お腹が空いた僕は、ビールの他にちょっとしたお菓子も買い込んでおきたいと思っていた。

コンビニに入ると、レジ前には新商品として、グミの新しい味が並んでいた。

僕はすぐに「あ、これ由美子に買っていってあげよう」と思い、迷わず購入した。

僕もグミを食べたかったので、僕の分も合わせて2個買って帰った。

「ただいまぁ」
「おかえりぃ」

家に着いて僕は驚いた。

テーブルにはすでに同じグミの新しい味が2つ置いてあったのだ。

僕は「あっ」と言いながらコンビニ袋からグミを2つ取り出すと、それを見た彼女と目が合った。

2人で苦笑いをしながらも、僕は幸せに包まれた。

このお互いが少しだけ思いやる気持ちがなんて心地良いことか…。

ただのノロケ話に聞こえるかもしれないが、僕にはこういう何気無い思いやりが凄く大事だと思うし、とてもいい話ではないかと思った。

いつだって身近にある思いやり。
些細な日常でも、これが通じ合った時
とても幸せに感じられると思う。

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