「はい、次の方どうぞー」

「ゴホッ、失礼します、ゴホゴホ…」

「あら、風邪ですか？」

「いえ、左膝が痛くて歩けないんです。」

「あ、そうなんですね。どれどれ。
　ここは痛いですか？」

「あ、痛いです。」

「ここはどうですか？」

「痛いです。」

「なるほど。
　これは年齢からくる身体機能のせいかもしれませんね。」

「えっ？そうなんですか？
　右膝も同い年なのに。」

「年を重ねてくると、色々なところにガタがくるんですよ。
　特に膝など軟骨成分の多いところには、年齢と共にそういう成分が不足して
　直接骨が擦れてくるので痛むんですよ。
　コンドロイチンって言うんですけどね。」

「今度老チンですか。
　ではそのうち勃たなくなってくるんですかね。

「そうですね。立てなくなってしまう前に適度な運動やお薬が必要になりますね。
　一応塗り薬も出しておきますね。
　後は飲み薬ですね。」

「なるほど。塗り薬で刺激を与えながら飲み薬で血液を促進させ、勃たせるんですね。」

「はい。あなたが元気に立てるよう、我々医者は全力を尽くすんですよ。
　でも、他にもご家族の協力も必要です。
　薬の他に別途運動もしてください。」

「ベッド運動ですか？
　私の妻ももう60歳ですよ？
　さすがにお互いそんな若くないですよ。」

「何をおっしゃってるんですか。
　最近ではご高齢でもご夫婦で立派に動かれてますよ。」

「えっ！？そうなんですか？
　どれくらいのペースでやっているんですか？」

「私の知っているご夫婦なんて
　毎朝頑張って行っているそうですよ。」

「毎朝逝ってるんですか！？
　凄い…それ、どちらから誘っているんですかね？」

「だいたいそういうのは奥様の方らしいですけど…
　最近は男性の方がすぐに音を上げるみたいです。
　情けないですけどね。」

「…そりゃそうですよ。
　私は絶対無理ですよ。
　大体、勃ち続けられる自信ないですもん。」

「何やる前から弱音吐いてるんですか！
　ぜひ明日から奥様を誘ってみてください。
　そろそろ次の患者さんがお待ちなのでこれで終わりにしますよ。」

「分かりました。頑張ります。
　では、とりあえず明日と明後日に向けて
　バイアグラ2錠ください。」

「は？」