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日本企業におけるライフイベント

著者:吉田 健康

投稿日時  : 2017/10/20 18:35

最新編集日時: 2017/10/20 18:35

女性にとって、働く上で大事なライフイベント。
ライフイベントと言っても理解してくれる人は少ないかもしれない。
いわゆる結婚、出産、子育て等、人生における大事な変化のことだ。

 

通常、大手の企業は男女雇用機会の均等化やセクハラに対して厳しい姿勢でいる。
確かに雇用機会の平等化は感じる。特に職種が営業となると、その比率は男女比が半々である企業も多い。

しかし、どうしても女性には「頭より容姿」「的確な回答よりも笑顔」が求められている傾向がまだ強いと感じる。

実際表面上、企業はパワハラやセクハラの防止策や発見時での厳しい処罰は施行されているのは分かる。
でも、そこにいるのは人間だ。色々な感情やニュアンスという空気感がうごめいている。

法治国家でも犯罪があるのと同じで、どうしても企業の方針には則さない雰囲気やコミュニケーションは点在してしまう。
その点在に毎日苦しめられている女性はいると思う。

 

実際問題、どんなに優秀な人材でも周りの社員や上司には「結局、結婚したら辞めちゃうんだろうなぁ。」と思われ、
最悪「だとしたら長期的な将来性を考えて昇給させづらいよなぁ」という判断もされかねない。

出産前後でもギリギリまで働く女性を見て「お腹大きいのによくやるよ」と思う人もいるかもしれない。
「安定期とはいえ、いつどうなるかも分からないんだから休めば良いのに」という発言はポジティブにもネガティブにも捉えられる。
これを笑顔で言うか真顔で言うかによっても印象は異なるだろう。

子育て中につき、時短勤務をしたところで「早く帰宅するから仕事を頼みづらい」ということもある。
これは、子育てをしていない周りの人間は感覚値を理解できないが故に、コミュニケーションも未熟になってしまうのだ。
意外と本人は仕事を受けられるにも関わらず、敢えて周りが躊躇って距離を生んでしまうことだってある。

 

こんなことが色々あるからライフイベントは難しい。特に女性。
男性においては、まだまだライフイベントに対する働き方の変容を理解すらされにくいだろう。

 

日本においてはおそらくあと何十年以上も経たなければ理解されないと思う。
なぜなら、良い例が電車内での赤ん坊だ。

満員電車時のベビーカーは暗黙の了解で御法度。
赤ん坊が泣きわめけば、「うるさい!黙らせろ」という大人もまだまだいる。

じゃあ、赤ん坊がどんなに泣きわめいても周りの大人は泣き寝入りして黙っていなければならないのかという話にもなる。
しかも、むしろそれを逆手にとって、子どもを自由にさせてしまう親だっている。

こういったものの解決策はひとつ。「マナーにおける空気感」だ。

 

ルールや法律でがんじがらめにするのではなく、マナーという名のもと
どれくらいの空気感や温度感で思いやりを持ち合えるのか、が大事だ。

そして同様に社内におけるライフイベントに関しても、この空気感が問われるわけだ。

 

しかし、これは一朝一夕で解決するものではない。
様々な論争や紆余曲折を経て、民度も含め「こういう感じだよね、普通」という解釈を全員が持てるようになれば良い。
しかもそれが様々な場面で双方が納得いく形でマナー化することだ。

そして、それが文化となる。
日本の文化となる。

 

だから、私はまだまだ文化形成には時間がかかると思っている。
今の段階ではまだ悲しい状況は続くけど、ちゃんと向き合って前に進まなければならない話だと思う。

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