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フィクションランド

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拍手よりも撮影

投稿日時  : 2017/08/03 10:33

最新編集日時: 2017/09/07 10:58

7月某日、友人の結婚式に参列した。
天気は晴れ。
久々に会える友人との再会を楽しみに会場に向かった。
会場のホテルのチャペルは景色も楽しめる様に(海に隣接しているホテルが多い)、ガラス張りのチャペルが多い気がする。

今日の挙式会場もガラスのチャペル。
壁は一面真っ白で、ガラスの外には青い海。どこも内装が異なるし、同じガラス張りでも毎回楽しい。
青い空と、緑、太陽光。最高のロケーションである。

新郎新婦は互いに介護士という事もあり、参列者の大半は職場関係の職員さん達。
年齢層はばらけており、今まで参列してきた挙式とは一味違ったアットホーム感がある。

参列者がチャペルに入り、司会の女性からお祝いの言葉。
さすが司会者。聞き心地の良い声色と落ち着きのある話し方で会場の雰囲気がグッと締まる。

先ずは新郎の登場。
白いタキシードが長身なスタイルにピッタリ決まっていて、清々しく晴れやかな笑顔。
参列者からお祝いの言葉が飛んだり、拍手拍手の中を堂々と歩く姿がかっこいい。

そして、いよいよ新婦の登場。
皆が扉の方へ向く。音楽が鳴り始め会場の扉が開く。
そこにお父様と腕を組む新婦。
新婦のウェディング姿は本当に素敵で、会場からため息と拍手が鳴り響く。
ドレスには細かい刺繍が施されたレースが全体的にあしらわれており、動く度にふわふわ揺れる姿がとても印象的なドレスだった。

お母様によるベールダウン。
このベールダウンの儀式、本当に誰の時でも素敵な演出だなぁと思う。

素敵、素敵、、、と思っていたら、急に違和感がある。
今まで感じた事の無い雰囲気。

何だろうなと思ったら、まさに。
恐らく、参列者70名弱の大半がスマホをかざしている。
もちろん私もスマホをかざしている。

スマホ、スマホ、シャッター音、シャッター音、スマホ、、、。
親族もスマホ、ガラケー。
私の手元のスマホ画面には、スマホをかざしている友人越しに映る新婦。

気付けば拍手も止まっていたし、聞こえるのは生演奏の音楽とシャッター音だけ。
司会の人はやはり慣れていて、「拍手でお迎えください~」という発言。

とにかく、一瞬感じたもの凄い風景にぞっとして、スマホを置いた。
同じようにスマホを手放した人達からのまばらな拍手で新婦がバージンロードを進む光景は、初めてだった。
「あぁ、こんなに世の中にスマホが普及していて、みんな使っていて、写真を撮っているんだな」と、
全く意味の分からない不思議な感想でいっぱいだった。

挙式って、こういうものだったんだろうか。
誰でも撮影をするのは今に始まった事ではないし、カメラで写真を取る事は当たり前にあるし、
でも、何て言うのか、これはTPO?。

今、全員写真撮るべき所なのか、拍手で出迎えるべきだったんじゃないのか消化不良のもやもやした気持ちを
抱えたまま終えた挙式だった。

この式には参列していなかった友人に話をしたら、その友人も同じような挙式に参列した事があるという。
別の友人は、逆に厳かな雰囲気が強く、スマホで撮影が出来なかったと言っていた。

うーん。
これって気になる話題でもないのか、、、。

スマホの撮影は、撮影をしている間に時間が過ぎる事から(飲食物などすぐ食べてもらいたいものが劣化する、
撮影目的で食されず廃棄される等多発)「インスタバエ(ハエ)」と呼ばれる人達もいると聞く。

あれはインスタバエではなかったけど、
私は時と場合、立場にあわせて臨機応変な対応をしていく人でいようと強く思った。

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